2023.10.16
歯が溶ける、、、酸蝕症とは?
みなさんこんにちは、院長の大槻です。
皆さんは酸蝕症をご存知でしょうか???
ふつうの虫歯や歯周病とは異なるのがこの病気のおおきな特徴になってきます。
酸によって歯のエナメル質が溶けてしまっている状態を 「酸蝕症」といいます。
普段お口の中は唾液の働きによって中性に保たれていますが、エナメル質は酸に弱く、酸にさらされると溶け出します
(脱灰)。
溶かされたエナメル質は唾液の働きによって修復され元通りになります(再石灰化)。
日中、歯は脱灰と再石灰化を繰り返していますが、酸性の飲食物を頻繁に口にすると再石灰化が間に合わず、 エナメル質が溶けていってしまいます。
酸性の飲食物には、柑橘系の果物、赤ワインなどのお酒類、清涼飲料水やお酢などがあります。
酸性度が高い、すなわちpHが低い飲食物がお口に入ると、歯の表面からカルシウムイオンやリン酸イオンといった成分が溶け出します。
通常時間が経つと、唾液の作用によりお口のpHは中性に戻りますが、長時間取り続けると歯が溶け出すようになります。
特に酸性度が高いものを挙げましたので、参考にしてみてください。これらのものは、飲み物としてもよく日常目にするものたちですよね
- 炭酸飲料・スポーツ飲料
- ワイン
- お酢
- 柑橘系の果物
- ビタミンCなどのサプリメント
これらの酸性の強い飲食物は、歯を溶かす原因になってしまうことがあるので注意が必要です。皆さん、きをつけましょう。
胃酸はレモンと同様、またはそれ以上の強い酸性なので、胃酸が逆流する状況が続くと酸蝕症になるリスクが高まります。
虫歯ではないのに、飲食物の酸などによって歯が溶ける酸蝕歯は、歯の着色や損耗によって、見た目が悪くなったり、かみ合わせが悪くなったりするほか、放置していると、歯の表面のエナメル質が溶けた部分から虫歯になりやすくなるという影響もあります。
酸蝕歯の特徴としてさまざまな症状があります。冷たいものや熱いものを口に入れると歯がしみる、ペンライトなどで歯を照らすと歯が一部透けて見える、歯の角が丸みを帯びて見える、歯の表面につやがない、歯の表面に小さなへこみが見られる、詰め物やかぶせ物が外れやすくなる、などです。
酸蝕歯につながる飲食物
酸蝕歯の原因は、飲食物などの酸に歯が長時間さらされることです。
歯の表面のエナメル質は、酸性度を示すpHの値が5.5以下になると、溶けやすくなります。そのため、酸性度の高いかんきつ類、酢、炭酸飲料などの飲食物を頻繁にとっている人は注意が必要です。
酸蝕歯の原因となる病気
胃食道逆流症など胃や食道の病気、あるいは暴飲暴食といった生活習慣などで、胃酸が逆流する状態が続いていると、口の中が酸性に傾くため、酸蝕歯になりやすくなります。
酸蝕歯の治療は?
酸蝕歯の治療の基本は歯磨きです。セルフケアとしては、歯質を強化するフッ素などの成分が含まれている歯磨き剤を使います。歯科では、歯質を守る薬剤を歯に塗って固め、バリアを作る治療が行われます。穴が空いたり欠けたりするなど、歯に大きな影響が出ているときは、虫歯同様、詰め物やかぶせ物をする処置が行われます。
酸蝕歯を予防するには?
酸蝕歯を予防するには次のような注意が必要です。
- 炭酸飲料などの酸性度の高い飲料を長時間口の中にためない。
- 酸性度の高い飲食物を口にしたら水でうがいをする。
- 酸性度の高い飲食物を口にする回数を少なくする。
- 唾液の分泌が少なくなるスポーツの後や就寝前は、酸性度の高い飲食物を控える。
- 酸性飲食物をよく摂取している人は少し摂取を控える
- だらだら食べ、ちびちび飲みをしない(再石灰化の阻害になるため)
- 食べたら歯磨き、うがいをする
- 過度なアルコールは控える
- 摂食障害や逆流性食道炎がある場合は医科を受診する
- 嘔吐後はすぐに口をゆすぐ
などが挙げられます。
まずは原因となっている酸を無くす、または減らすようにします。
あとは、虫歯予防と同様、酸性の飲食物をだだらだら食べたり、ちびちび飲むのも、長時間お口の中に酸がある状態になるため、控えるようにしましょう。
また、食後は唾液によりお口の中が中性に戻るまでの間は、歯の表面の成分が少し溶け出ている(脱灰)状態なので、30分ほどたって歯の表面が元に戻った(再石灰化)状態になってから、歯ブラシをするようにしましょう。
酸を摂取したあとは、歯の表面が溶け出て柔らかいため、食後すぐに歯ブラシをすると、歯磨き粉に含まれる研磨成分により、歯が歯磨きにより削れることがあるからです。
頻繁に嘔吐をされる場合は、歯だけではなく、全身にとってもよくないので、過度なアルコールを控えたり、医科の受診をして改善を図りましょう。
進んでしまった酸蝕歯に対しては、通常の虫歯治療と同様に詰め物や被せ物をして治すこともありますが、やはりまずは歯が溶けていった原因を追求し、原因に対する対策を行うことが重要です。 気になる方は、気軽にご相談ください。
和光市の歯医者 和光市TaCファミリー歯科では酸蝕症の相談ものっていますので、ご気軽に尋ねてくださいね!