2023.08.08

歯医者に通うことの意義

みなさんこんにちは。院長の大槻です。

今日は歯医者に通っていただくことの意義について、ざっくばらんに説明していきたいと思います。

結論から言うと、もっと多くの方々に通っていただきたいなと考えています。

というのも、よくあるパターンとして、虫歯が神経まで進んでしまってるケースで、激痛のため初診で神経を取る処置をしました。

2回目の治療の前にいたくなくなってしまったので、放置。その後、半年後に激痛がでて、再度来院。すると神経をとってるが、そこからどんどん感染が広がっていて、神経の先までだめになってしまって、歯自体がわれてしまっている。どうしようもなく、、、、、抜歯をしなくてはならないのです。

ここで、先ほどの最初の神経処置からきちんと通っていただいていたら、どうなっていたのか?ということなんです。

しっかりとなかの神経をとって、そこに別のお薬をいれて、レジンやファイバーというコアと呼ばれる土台をいれて、そこに被せ物をセットするという治療のながれがとれていれば、いきなり歯が折れたりすることには至ってなかったかなと思います。

ステップ1

虫歯を取り除き、虫歯の部分を削ります。(2次う蝕の場合はまず被せ物をはずして中の虫歯菌を取ります。)
歯髄が残っている場合は神経を抜き取る抜髄をします。
奥歯などの大きな歯の場合、神経は何通りにも分かれていたり、曲がっていたりするので、取り残しがないように丁寧に処置します。

ステップ2

虫歯菌が中まで感染しているので、抜髄した根の中を掃除します。

ステップ3

薬剤で根の中の洗浄と消毒を行います。症状に応じた薬剤を隙間なく詰めたり、レーザーなどで殺菌したりします。

ステップ4

虫歯菌などの、細菌の侵入を防ぐために、専用の薬剤で根管を充填します。

ステップ5

根管の治療が終わったあと歯の土台を装着します。そのあとは、通常の虫歯治療のように被せ物をするために形を整えて型取りを行い、型を作って装着し、噛み合わせの確認をします。

■保険適用の治療方法

日本では、保険を適用させて虫歯治療ができる仕組みになっています。そのため、誰でも3割の負担で治療できます。
保険適用の治療する場合は、国が決めた治療の規則に従わなければならず、その規則では、一回の治療でできる範囲や使ってよい素材、工程などが決まっています。
そのため、何回かに分けて治療しなければいけないのです

■体の負担を考慮している

歯科治療は、口を開けて歯を削ったり、詰め物を詰めたりする治療ですが、それを1時間続けてするには、患者様の負担が大きくなりすぎてしまいます。診療台に座り続けて治療を受けることもそうですね。
顎や腰の疲れなどを考慮して、短い集中できる時間で治療をしている場合もあります。

■最後までしっかり通院しましょう

予定や時間を調整して予約をとったり通院したりすることは大変ですが、治療は数回で終わらない理由が分かりましたね。
丁寧な治療をする必要があることと保険診療のルールとで、時間がかかってしまうのですね。歯を健康に保存し、残りの人生も健康に過ごすために必要なことと思い、治療が終わるまで、しっかり通院しましょう。

実は、歯の根管の治療の90パーセントは1〜3回で終わります。歯の神経を取る治療では、まず神経を取り、消毒して、薬を詰めるという3ステップを踏みますが、この際、歯の神経が通っている根管が多ければ多いほど時間がかかります。例えば、根管が1、2本の場合には、1、2回程度、3、4本の場合には2、3回程度かかります。しかし、ここで一つポイントがあります。初めて歯の神経の治療をするときに、神経の管が根管に残ってしまうと、何年かしてからもう一度やり直さないといけなくなります。ですから、神経の治療は一回目がとても重要です。さらに、歯の根管はとても細いため神経の治療は非常に繊細な治療です。10円玉の直径と同じ大きさの道具を駆使してお掃除と消毒を繰り返します。実際には歯の根管は直線ではありません。途中から分岐している場合もあります。お時間や回数がかかるのはそのためです。

さて、中には4、5回かけて、やっと終わる神経治療もあります。初めの治療がうまくいかず、根の先にウミがたまってしまうケースや、歯の痛みを我慢してそのままにしていたために、神経が死んで、根の中が腐ってしまうケースなどがあります。いずれの場合も根の中をまた消毒しなければいけないので時間がかかってしまいます。特に、以前神経を治療したことがある歯の場合、歯の中に細菌が入らないように詰めた硬いお薬が入っています。それを少しずつ溶かしながら消毒を行うので、その分時間がかかってしまいます。

また、これはまれなケースですが、治療が終わるまでに6回以上かかることもあります。これは、細菌が歯だけでなく、あごの骨まで広がってしまった場合です。例えば、神経の治療をしている途中に忙しくなって歯科医院に通えなくなる患者様がいます。その場合、時間が空いてしまうので、仮のふたのすき間から、細菌がどんどんと中に入り、周りの骨を溶かしてしまうのです。そうなると、歯だけでなく周りの骨が治るのも待つ必要があるので、余計に時間がかかります。イメージとしてはお腹に穴を開け絆創膏などを貼ったままにして、痛くない、忙しいからと放置していた状態です。そう考えるといかがでしょうか。

根管治療をできるだけ短時間で終わらせるためには、治療の一回目にできるだけ良い治療を受けることと、痛みがなくなったからといって安心して治療の間隔を開けすぎないようにすることが大切です。

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