2023.09.01

歯周病が手遅れになる前に!

こんにちは、衛生士の岡田です。

今回は歯周病が手遅れになる前にできることについてはなしていきます。

▼歯周病で手遅れとなる症状について

 

始めに、歯周病において手遅れとなる症状についてお伝えしておきます。それは歯茎や顎の骨の破壊が進み、今にも歯が脱落しそうなほどグラグラしている場合です。こういうケースの場合は意外と痛みが伴わない場合もあります。
その状態では、どんなに高度な歯周外科処置を施しても、歯を残すことは難しいです。それは歯周病の末期症状であり、手遅れと言わざるを得ません。歯を抜いて、ブリッジや入れ歯、インプラントなどで補う方法が第一選択となります。なかなか億劫になってしまいますよね。

 

▼“手遅れ”の一歩手前の歯周病

 

歯周病の症状が末期に近づいていても、まだ手遅れではないケースも多々あります。具体的には以下の通りです。

 

◎歯茎・顎の骨がボロボロになっている

 

歯周病が進行して、歯茎や顎の骨がボロボロになっていたとしても、歯周組織再生療法などを実施することで治せる場合もあります。歯周病菌によって破壊された組織を再生できれば、元通りとは言わないまでも、歯を残せるだけの状態まで戻すことが可能だからです。なかなか完全に元の状態に戻すというのは厳しいですが。

ただし、歯周外科の実績が豊富な歯科医師でなければ、適切な治療を行えませんので、歯医者さん選びを慎重に行う必要が出てきます。

 

◎歯茎から膿が出ている

 

歯茎から膿が出ている状態を「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ぶことがあります。細菌感染が進んでいる証拠であり、重度の歯周病に分類されますが、必ずしも抜歯が適応されるわけではありません。

感染源となっている歯周病菌を徹底的に排除し、正しいセルフケアを継続できるようになれば、歯槽膿漏でもきちんと治せます。

ここが一番難しいんですけどね、、、、

 

▼手遅れになる前に治療することが大切

 

日本人が歯を失う原因の第一位は歯周病です。虫歯が第一位ではないことに驚かれた方も多いことでしょう。歯周病というのはそれくらい手遅れとなるケースが多く、重症化させないことが何よりも重要といえる病気なのです。ここが先進国との違いで、なかなか日本に浸透していない考え方となります。

そんな歯周病で歯を失わないためには、定期検診・メンテナンスをしっかり受けることが推奨されます。3~4ヵ月に1回くらいの頻度でプロフェッショナルによるチェックが入れば、歯周病になってしまったとしても軽度の段階で発見できます。

さすがの歯周病も発症から3~4ヵ月で手遅れとなることはまずありません。皆さんも歯周病で手遅れとなる前に、早期発見・早期治療、予防をするよう努めましょう。今回は4ステップに治療方法をまとめてみました。

 

ステップ1
歯茎と歯の周辺の歯石取り
(スケーリング)

基本的に歯茎の上から見える歯石(縁上歯石)やプラークを取る治療です。歯科医院では超音波スケーラーといわれる機器を使用し、歯石をとります。歯石とは、簡単にいうとプラークが硬くなって石となったもので、歯石になってしまうと歯ブラシでは除去できないので、歯科医院で取ってもらいましょう。これらを行い、歯周ポケットが2~4ミリほどなら、年に数回の定期的な歯周病メインテナンスで大丈夫です。これでも歯周ポケットが4ミリ以上だとステップ2の治療が必要となります。

ステップ2
歯茎の中の歯石とり
(SRPルートプレーニング)

歯周ポケットという言葉をご存知でしょうか? 一度、歯石がつくと、どんどんと歯茎の中のほうへ歯石は浸潤していき、歯茎と歯の結合を剥がしていき歯茎の中にポケットができます。そのポケットの中の歯石を取るのがステップ2となります。麻酔をしてすることが多く、歯周ポケットの深さによって、かかる時間も異なります。当院ではお口の中を4~6ブロック分けて一回につき1ブロックを1時間ぐらいかけて行います。全て終了したあと1ヶ月後に再検査を行います。そこで、改善が見られない場合はステップ3に向かいます。


歯周ポケットの歯石取り

ステップ3
歯周外科
(再生療法を併用)

ステップ2の治療が終了しても歯周ポケットの深さが5ミリ以上あるときは、次は歯茎を実際に開けて、歯石と悪い歯茎(不良肉芽)を除去します。その際に再生療法と呼ばれる治療を併用することがあります。エムドゲインなどの歯周組織再生材料や骨補填材などを併用すれば骨の再生を促すことも可能です。

ステップ4
抜歯

ステップ4では、残念ながら保存不可能と判断された歯を抜くことになります。本当に残念です。この段階の歯は最初に説明した、『歯周病手遅れ症状』の歯で、残すことによるデメリットが大きく、最悪な場合、周りの残せる歯に歯周病が進行し一緒に抜けてしまう可能性まででてくるからです。できるかぎり、残すことを考えてあらゆる治療方法を受けたあとでも、この状態では難しいかもしれません。

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました。 和光市の歯医者 和光市TaCファミリー歯科では、随時急患をうけいれております。

 

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