院長の大槻です
歯周病に効く歯磨き粉には、次に挙げるような成分が含まれています。
殺菌作用
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化セチルビリジニウム(CPC)、塩酸クロルヘキシジン(CHX)などは、殺菌作用が期待できる成分です。
とりわけIPMPは、歯周ポケット内に浸透することで歯周病菌の活動を抑えることができます。
抗炎症作用
トラネキサム酸(TXA)やグリチル酸は、抗炎症作用をもたらす成分です。歯茎の炎症や出血を抑え、歯周病の症状を和らげる効果が期待できます。
血行促進
酢酸トコフェロールは、歯茎の血行を促進する作用が期待できる成分です。いわゆる“ビタミンE”であり、歯周病の予防や症状の改善に寄与します。
歯磨き粉で口臭予防に効果のある成分は?
歯周病は、口臭が強くなる病気としても有名ですよね。そのため歯磨き粉で口臭を抑える効能があれば、なお良いといえます。
そこで是非とも注目していただきたい成分が「ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)」です。
LSSも殺菌作用が期待できる物質ですが、同時に口臭予防にも役立ちます。
虫歯予防や歯周病予防に効果がある歯磨き粉には、LSSが含まれていることも多いため、気になる方は成分表示をチェックしてみてください。
歯周病予防に“最強”といえるおすすめの歯磨き粉は?
ここまで歯周病の予防や症状改善に効果が見込める成分について解説してきましたが、具体的にどのような歯磨き粉がおすすめなのかも気になりますよね。
ガム歯周プロケアペースト
ガム歯周プロケアペーストは、殺菌効果のある塩化セチルピリジニウム(CPC)」や歯茎の健康維持に寄与するビタミンE」などが配合されており、歯周病ケアという点においては非常に優れています。
歯周病をしっかりと予防したいという方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
コンクール・ジェルコートF
コンクール・ジェルコートFは、歯科医院でも広く活用されている歯磨き剤であり、殺菌効果の高い塩酸クロルヘキシジンが配合されています。
また、研磨剤や発泡剤が含まれていないジェルタイプということもあり、歯茎を傷つけにくい点も評価すべきポイントと言えます。
歯周病においてこれが“最強”とはいえないかもしれませんが、高い予防効果が期待できることは間違いありません。
歯周病予防の基本はブラッシング
上述したような成分は、歯周病予防の手助けとはなりますが、最も重要なのはブラッシングです。
正しい方法で毎日ブラッシングをして、歯垢や歯石をためこまない生活を送っていれば、歯周病も予防できます。
もうすでに歯周病にかかってしまっている方は、歯科医院での治療を受けつつ、今回ご紹介したような歯磨き粉を使っていきましょう。
歯科医院では、歯周病にかかっている人向けのブラッシング法などもご提案することができます。
▼まとめ
このように、市販の歯磨き粉には歯周病に効く成分がいくつか含まれています。
歯周病の症状を少しでも和らげたい、日々の口腔ケアの効果を高めたいという方は、歯磨き粉の成分表示に着目して、ご自身に最善と言える製品を選ぶようにしてください。