こんにちは!
今回は、『粘液嚢胞(ねんえきのうほう)』について説明をしていきます。
唾液は頬の内側や顎の関節の手前、舌の下にある唾液が作られる器官から管を伝って、口の中に出てきます。
その管は主に3つあり『大唾液腺』と言われています。
大唾液腺以外にもお口の中の粘膜には『小唾液腺』という、唾液を作って粘膜を保護する器官が無数あります。
その小唾液腺がふさがってしまい、唾液がうまく出ていかなくなり隙間に漏れだしたのが貯まってくると、粘膜がぷっくり盛り上がってきます。
これは、『粘液嚢胞』といい、ほとんどが痛みはなく、要するに唾液が溜まっている状態です。
この粘液嚢胞がよくできやすい場所は下唇の内側や、頬の内側そして舌の裏です。
原因としては、下唇や頬を噛んでしまって出来たり、歯ブラシや食べ物で口の中を傷つけたりしたときに、粘液嚢胞は出来やすいです。
大きさは時間とともにつぶれて小さくなることもありますが、だいたい1センチくらいの大きさまで膨らみます。
この『粘液嚢胞』は膨らんでいるので、気にして常に触ったり噛んだりしているとなかなかよくなりません。
ついつい触ったりしてしまいますが、なるべく触らないようにしましょうね。
また粘液嚢胞は腫瘍ではないので、悪性化することはないです。
大きさがあまり変わらなかったり普段の生活で気にならない場合は、大きさの変化があるまで経過観察でも大丈夫です。
刺激を与えすぎると周りの小唾液腺を傷つけてしまい傷が大きくなるなる可能性もあるので、特に何もせず経過観察で様子を見ることがあます。
ただ、経過をみても小さくならなかったり嚢胞が大きくて生活していて支障がでる場合は、外科的に取り除いたほうがいいでしょう。
除去する場合、粘液嚢胞の膨らんでいる中の唾液だけを取り除いても、再び同じ場所に唾液が貯まってくることが多いので、手術の際は原因となっている小唾液腺を含めて摘出します。
嚢胞の粘膜を切開して、膨らんでいる原因の小唾液腺を取り除きます。
周りの小唾液腺を1部分だけ取り除くこともあります。
摘出が終わったあとは創面を糸で縫いますので、後日(10日ぐらい)に来院して糸をとり、おわりになります。
最初はしこりが残ったり、手術した周囲にしびれがのこったりすることがありますが、時間とともにしびれの範囲が小さくなることがほとんどです。
この手術をして粘液嚢胞を摘出すれば、再発の可能性はすくないです。
ただ、頬や唇を噛む癖がある方は注意が必要です!
噛むところが刺激され、また唾液の管がつまり、再発する可能性があります。
お口の中に、出来物がある方いませんか?
当院では、お口の中の腫れや腫瘍などを専門に扱う20年以上のキャリアがある『口腔外科医』が在籍していますので、より詳しく診察して適切な処置をすることができます。
気になる方は是非来院してくださいね。