こんにちは、院長の大槻です。
今回は虫歯の進行について説明していきたいと思います。
なるべく、虫歯が小さいうちに治したいところですよね。大体虫歯って痛くなった時にはかなり進行してしまっていることがおおいんですよね。
虫歯は、カリエス(caries)といいます。そして、1~4の番号は、虫歯の進行度を意味しています。数字が大きくなるほど、進行度が高いということです
★CO(シーオー)
Caries Observationの略称で、まだ発生して間もない初期の虫歯を意味します。歯の表面に穴はあいておらず、「白斑」や「白濁」といった症状だけ認められる段階です。そのため、治療を必要としないことも多く、フッ素塗布などの予防処置を実施や経過観察することが多いです。
★C1
虫歯菌がエナメル質だけにとどまっている段階です。歯の表面に穴はあいていますが、痛みなどの自覚症状が現れることはありません。歯を少し削り、レジンという歯科用プラスチックを詰める治療を行います。
★C2
虫歯菌が象牙質にまで及んでいる段階です。エナメル質の虫歯とは異なり、冷たいものや甘いものがしみるようになります。多くの患者さまがこの段階で虫歯に気付くこととなります。レジンを詰めるか型取りを行ってインレーと呼ばれる詰め物を詰める治療を行います。
★C3
虫歯菌が歯髄にまで到達し、歯の神経や血管を蝕んでいきます。「C3」は、虫歯全体の中で最も強い痛みや不快な症状が現れる時期ともいえます。それまで我慢していても、この痛みに耐えられなくなって歯医者を受診する方も多いです。神経まで達した虫歯の場合、麻酔をして神経を取り除く「抜髄」を行います。歯を残すことは可能で、抜髄後は根の中を洗浄、消毒を行う「根管治療」が必要です。根の中が完全にきれいになったら根の中に最終的な薬を詰めて土台を立て、被せ物の型取りを行い、出来上がった補綴物を装着します。
★C4
歯髄が完全に蝕まれてしまっているので、痛みなどの症状は消失しています。歯冠部もほぼ崩壊しており、残っているのは歯根のみである場合が多いです。こうなると、治療をして元の状態に戻すのは困難であることから、多くのケースで抜歯が適応されます。
C2の段階が重要で、神経を残せるか残せないかの瀬戸際になります。
昔は虫歯を削って神経が出てきたら無造作に神経を取る治療が主流でしたが、現在はMTAというお薬を使うと神経を残すことができます。
これが生活歯髄療法と言い、神経をできるだけ残す治療法です。
虫歯にはC0からC4まで進行によりステージがあることはお伝えしました。痛みを感じ始めるのがC2の象牙質の虫歯、そこから激しい痛みを感じる歯髄炎や根尖性歯周炎のC3の段階を経て、残根状態のC4になると痛みを感じなることも、前述の通りです。
痛みが無くなったのだから、忙しいし、お金もかかるからもういいやと思われる方や、どうしても歯医者さんが苦手という方もいらっしゃることともいます。いずれにせよ、歯医者さんの受診はできる限り、早く行いましょう。
痛みを感じ始めても、C2の段階の小さな虫歯であれば、削って詰めて治すことも可能です。治療の回数も1度で済むかもしれません。しかし、痛みが強いC3や、歯がほとんど崩壊してしまったC4の段階へ進行していると、歯の神経の治療を行い、かぶせ物のために型どりを行ったりと、治療の回数や費用も負担が大きくなります。C4のように残根状態となれば、痛みはありませんが、抜歯を行う必要があり、麻酔を行い歯を抜くことになるので、注射の痛みや、抜歯後の痛みを感じることになります。
何度も同じことの繰り返しになりますが、早めの受診が大切なのです。
虫歯で歯が痛いといえば、『ズキズキして眠れない』、『甘いものを食べた時にズキンとする』、痛みで頬を手で押さえるといった状況が容易に想像できます。虫歯は、神経まで進行してしまうと、激しい痛みになりますが、神経が死んでしまうと痛みを感じなくなります。しかし、虫歯は自然に治ることはないため、痛みが無くなったからといって虫歯が治ったわけではありません。虫歯は痛みを感じる前に定期的に健診を行うこと、痛みを感じたらすぐに受診をすること、激しい痛みがなくなったからといって放置しないことが大切です。
痛みやしみるといった不快感は、数日でだんだんと消失していくことが予想されます。これは、神経の近くに第二象牙質という組織が作られ、刺激から神経が守られるようになることや、神経をとる治療中であれば、根管内にいれたお薬により、感染した組織が消毒され症状が鎮静化するためです。
しかし、痛みがどんどん強くなる、治療した歯の周りが腫れてきたといった症状が出た場合には、歯科医院を受診し、一度確認してもらいましょう。何らかの感染を起こしてしまった場合には、処置が必要です。
せっかく治療を行った歯に痛みや不快感があると心配になってしまうものですが、感染を引き起こすことになるので、くれぐれも指や舌で治療直後の歯を刺激しないようにしましょう。症状が治まらず、痛みや違和感が増加していく際には、歯科医院を受診し、一度確認してもらうことが大切です。