院長の大槻です。親知らずはどれが大変なのみたいな質問されるので、それについてはなしていきます。
親知らず抜歯の難易度
生え方や歯の形などにより難易度は変わってきます
親知らず抜歯は「痛い」、「腫れる」など辛いイメージをお持ちの方が多いかもしれません。ですが、親知らず抜歯と言ってもいろいろで、確かに痛みや腫れを伴うケースもありますが、簡単に抜けて痛みや腫れを伴わないケースというのも決して少なくありません。ここでは親知らず抜歯の難易度についてご紹介します。
生え方による難易度
親知らず抜歯の難易度は、生え方によって違いが出てきます。全てに当てはまるわけではありませんが、一般的には次のような傾向があります。
難易度(低):まっすぐ生えているタイプ
まっすぐ生えている場合、他の歯と同じくらいの難易度、もしくは骨の被り具合などによっては難易度が高くなることもあります。上の親知らずでまっすぐに生えている場合は、あっという間に抜けることも珍しくありません。
難易度(中):斜めに生えているタイプ
親知らずが斜めに倒れて、手前の歯にぶつかってしまっていて全て生えきっていないケースです。下の親知らずでよく見られるパターンです。この場合、歯茎を切り開いてぶつかっている部分を削って取り除き、抜く必要があります。
難易度(高):完全に横に倒れているタイプ
親知らずが完全に倒れて水平方向に埋まっているケースです。下の親知らずでよく見られます。抜き方としては斜めに倒れているケースと似ていますが、より深い位置に埋まっているため、難易度が高くなります。
生え方以外で抜歯の難易度を高くするもの
◆歯根の形
歯根が肥大している
歯根の先端部分が先細りになっておらず、肥大していると骨に引っかかり抜けにくくなります。
歯根が曲がっている
歯根が湾曲していて骨に引っかかっていると、非常に抜けにくくなります。
◆虫歯が進みすぎている
虫歯が進みすぎてボロボロになっている場合、器具が引っかかりづらいため、骨を削って抜く必要があり、難易度が高くなります。
◆骨がたくさんかぶっている
埋もれている歯の骨のかぶり方が多いと、それだけ骨を削って抜く必要があるため、難しくなります。たとえ真っ直ぐに生えている親知らずでも、骨の被り具合によっては抜歯の難易度が高くなることがあります。
◆下顎の血管・神経の位置
下の親知らずの奥にある顎の骨には、大きな血管と神経が通っています。親知らずが埋もれている位置とその血管・神経の位置が近いと、それらを傷つけないよう慎重な配慮が必要となり、抜歯の難易度が高くなります。
◆口の開きやすさ
患者さんのお口の開き具合は人によって様々ですが、お口があまり開かない方の場合、器具が入れづらくなるため、抜歯が難しくなります。
◆親知らず周囲の炎症度合い
親知らずを抜く場合、すでに歯茎が炎症を起こしている場合も少なくありませんが、炎症が強い場合、麻酔がききづらくなり、痛みをその都度感じて麻酔を何本も打たなければならなかったりなど、抜歯が大変になってしまうことがあります。
難易度が高いほど術後の痛みや腫れが出やすい
一般的に、簡単に抜ける親知らずは、術後の痛みや腫れが少なめで、抜歯が難しいほど術後の症状が大きく出やすい傾向があります。通常、上の親知らずは歯根が先細りで歯根も一本しかないことが多く、またまっすぐ生えていることが多いため、すんなり抜けるケースが多いですが、下の親知らずの場合、倒れているケースが多く、歯根も複雑な形をしていることが多いため、難抜歯になりやすい傾向があります。