2023.05.29

詰め物が臭い理由は?

今回のテーマは「詰め物をした歯が臭う原因」です。
口臭という言葉があるとおり、人はお口の臭いに対して非常に敏感です。

そして、ここでテーマにするお口の臭いは「虫歯治療で詰め物をした歯の臭い」についてです。
詰め物をして一見治療を終えたはずの歯から嫌な臭いがする…この場合原因は何なのでしょうか。
ここでは臭いの原因はもちろん、その対処方法まで説明していきます。

1. 歯周病

可能性の1つが歯周病です。もし本当に詰め物をした歯から臭いが出ているのであれば違いますが、
詰め物をした歯のすぐ下にある歯肉が臭っているのであれば、歯周病の可能性が高いでしょう。
歯周病とは文字どおり歯の周り、つまり歯肉の病気です。歯周病菌によって歯肉が炎症を起こすのです。

そして、歯周病になることで歯周ポケットの溝が深くなり、そこに細菌が溜まります。
これが口臭を招く要因になりますし、炎症を起こした歯肉から膿みが出ることでも嫌な臭いがするのです。
歯周病は虫歯のように見て判断するのが難しいため、確実なのは歯科医院に行って診てもらうことです。

2. 二次虫歯

可能性の1つが二次虫歯で、今回のテーマどおりであればこの二次虫歯の可能性が最も高いでしょう。
詰め物をした歯は既に虫歯治療を終えた状態になっていますが、その歯が再度虫歯になることもあるのです。
これは決して稀なケースではなく、実際に成人の虫歯治療のほとんどが二次虫歯によるものです。

詰め物は本来歯をしっかりと埋めていますが、時間が経つことでそこに隙間が生じてしまうことがあり、
その隙間から虫歯菌が侵入することで二次虫歯が起こります。
この時、詰め物の下に細菌が溜まる状態になるため、「詰め物をした歯が臭う」という事態になるのです。
ちなみに隙間が生じることで二次虫歯が起こる点から、詰め物が割れた場合も起こりやすくなります。

3. 二次虫歯の予防方法

二次虫歯は詰め物に覆われた下が虫歯になるため、従来の虫歯よりも予防が難しいのが問題です。
さて、二次虫歯を効果的に予防する方法は毎日の歯磨き以外に2つあります。
1つは歯科医院で定期検診を受けること…これはお口が綺麗になるだけでなく、
詰め物の異変にも気付けるからです。

2つ目の方法は、詰め物の材質にセラミックを選択することです。
セラミックは審美性の高さだけが注目されがちですが、メリットはそれだけではありません。
隙間が生じにくい、プラークが付着しにくいという点で二次虫歯になりにくいメリットもあるのです。

4. 二次虫歯の問題点

二次虫歯は従来の虫歯に比べて、厄介な問題がいくつかあります。
1つは詰め物に覆われていることで虫歯だと気付きにくいことです。
今回のテーマでは臭いがきっかけで二次虫歯に気付いていますが、むしろこれは幸運と言えるでしょう。

二次虫歯に気付けず、気付いた時には相当進行してしまっていたというケースも珍しくないのです。
また二次虫歯は何度でも繰り返されるため、歯を失う要因になるのも問題です。
治療のたびに歯を削る、そしてそれを繰り返すことでいずれ歯が失われてしまうからです。

5. 詰め物の寿命

知っておかなければならないのは、詰め物には寿命があるということです。
そもそも詰め物や人工物…言わば物ですから、永遠に使用できるわけではありません。
とは言え、寿命になったからといってそれに気付くことは難しいでしょう。

このため、上記でも説明したとおり歯科医院で定期検診を受ける習慣を身につけてください。
定期検診では歯科医がお口の状態をチェックするため、仮に詰め物に異変があっても気付けます。
そうすることで詰め物をベストのタイミングで新品に交換できますし、それが二次虫歯の予防にも繋がります。

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