2023.07.08
金属、セラミックの詰め物のトラブル
衛生士の福井です
金属の詰め物でトラブルに多く見舞われるのが、詰め物の下での虫歯です。
患者さんは詰め物の脇の所に隙間があいて来て気がつくこともあれば、冷たいものがしみるなどの症状が出てきて問題が発覚することが多いです。
金属の詰め物はセラミックの詰め物と比較して頑丈で壊れるということはほとんど起こりえません。また金属の詰め物は物理的にはまり込むような形に歯を削って、歯と金属の一体化を図るため、虫歯がちょっと進行したくらいでは、なかなか金属が外れて来ません。
つまり金属の下の虫歯がかなり大きくなってから症状が出てくることが多いので、最悪の場合神経を取らなくてはならない自体におちいることもあります。
金属の詰め物が取れてきた時に、上記のように虫歯が発覚して治療へと移行することは多々あります。しかしながら、金属の詰め物が取れた際に全ての歯で虫歯が進行している訳ではありません。以前に行われた虫歯治療の際に、しっかりとした虫歯の除去が行われていて、金属の詰め物の適合が問題なくても、経年的にセメントが劣化してきて、金属の詰め物が脱離してくることもあります。
金属詰め物は脱離したが、歯の方には虫歯はなく、詰め物はしっかりと元の位置にもどるようでしたら、そのまま再装着することもよくあります。
セラミックの詰め物でトラブルになるのは、ほとんどの場合セラミック修復物の破折です。
物性的に天然の歯に近いセラミックの詰め物は大きな力がかかると破折してしまう弱点があります。
破折してしまう原因としては、噛み合わせの調整がしっかりとできていなかったり、歯と詰め物の接着がしっかりとできていない、夜間に歯ぎしりをしている、などがあります。
セラミックの詰め物が割れないようにするために、歯科医師のテクニックがかなり求められる治療法です。