お口のなかにできる小さな厄介者――「口内炎」。誰もが悩まされた経験があると思います。お口の隅っこに小さい口内炎ができただけでも気になって、食事や会話のたびに痛い思いをすることに・・・気分まで憂鬱になってしまいますよね。
口内炎は多くの場合、数日で自然に治りますが、少しでも早く治したいなら歯医者さんに行くのがおすすめです。今回のコラムでは、口内炎の種類と症状、予防法や治療法について解説していきましょう。
口内炎というのは、お口の粘膜にできる炎症の総称です。様々な分類がありますが、こちらでは代表的2つの口内炎についてご説明します。
お口のなかに数ミリの白い円形のくぼみ(潰瘍)ができる、もっとも一般的な口内炎です。頬や唇の粘膜だけでなく歯茎や舌にできることもあり、1つだけでなく複数同時にできることもあります。症状は、痛みや腫れ、違和感など。原因ははっきりしていませんが、睡眠不足や疲労、ストレスや風邪、栄養不足やホルモンバランスの乱れなどによって体の抵抗力が下がっているときに起きやすくなると考えられています。
物理的な刺激によってできる口内炎です。入れ歯や矯正装置、熱湯や薬品による刺激で粘膜が傷付いたり、お口の内側の粘膜を噛んでしまったりすると、そこから細菌が入り込んでカタル性口内炎を起こします。症状は、腫れ、ただれ、水疱などのほか、お口のなかが熱く感じたり、味覚を感じにくくなったりすることがあります。
お口のなかが乾燥していると、粘膜の免疫力が下がります。また、口腔内の唾液が不足していると、細菌やウイルスが繁殖しやすくなります。口内炎を予防するためには、こまめに水やお茶を飲んでお口のなかを潤すことや、ガムや飴で唾液の分泌を促すことが重要です。
また、口内炎は過労や睡眠不足・栄養不足によってできやすくなると言われています。バランスのいい食事を心がけ、しっかりと休養をとり、疲労・ストレスを溜めない生活を送ることが口内炎予防につながります。
多くの口内炎は放っておいても治りますが、「痛いのを我慢できない!」「ご飯もまともに食べられない!」「1日でも早く治したい!」という方は、歯医者さんの力を借りましょう。口内炎治療にレーザーが用いられることは多くあります。患部に軟膏を塗布する方法もありますが、口内炎にレーザーを照射すると比較的短時間で痛みやしみる症状が緩和され、レーザーの殺菌・消毒作用によって治りが早くなります。
なお、噛み合わせに問題があるために口腔内を傷付けやすい方は、何度も口内炎を繰り返すことがあります。こういった場合、歯科医院では噛み合わせの改善からアプローチしていくので、根本的な問題解決も可能です。
セルフケアでは、お口のなかを清潔に保つことが重要ですが、ブラッシングには注意しなければいけません。患部を歯ブラシで刺激すると治るのが遅れてしまうため、うがい薬などを使って口腔内の衛生を保ちましょう。