衛生士の岡田です。とつぜんいたくなったとき、消炎鎮痛剤つかうとおもうのですが、今回はこれについて深掘りしていきたいと、おもいます。
消炎鎮痛剤とは?
消炎鎮痛剤(しょうえんちんつうざい)とは、文字通り炎症反応を抑え、痛みを和らげる効果が期待できる「痛み止め薬」のことです。
内科を受診した際にも消炎鎮痛剤が処方されることは多く、風邪やインフルエンザなどにかかった際にはカロナールやロキソニン、ボルタレンを処方されることが良くあると思います。
また皆さんも風邪や頭痛、生理痛などの際には、薬局ドラッグストアなどでロキソニンSやバファリン、EVE(イブ)を購入しますよね。
消炎鎮痛剤は一般の人にとって最も身近な医薬品のひとつといえるでしょう。
消炎鎮痛剤の作用・効果
消炎鎮痛剤にはいろいろな種類がありますが、炎症および痛みを抑えるという点において作用や効果が共通しています。
ですから、歯痛には必ずこの消炎鎮痛剤を使わなければならないということはなく、頭痛や腰痛、筋肉痛、怪我などにも有効です。
ご自身の体質に合った薬剤や鎮痛効果など、を考慮して選ぶことが重要といえます。
まず指標となるのが「副作用」です。
ロキソニン・カロナール・ボルタレンの副作用の違い
歯が痛い時にも聞く消炎鎮痛剤としては、ロキソニン・カロナール・ボルタレンの3つが主に挙げられますが、これらには副作用も含めて少しずつ違いがあります。
ロキソニンの特徴
「ロキソニン」という言葉は、一般的に日本で使用される医薬品の商標名です。
ロキソニンは、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」の代名詞のようなもので、日本の家庭でも広く使用されています。
ロキソニンにはNSAIDs(エヌセイズ)の中でも即効性が高いのが特徴で、できるだけ早く歯の痛みを抑えたいという方におすすめです。
ただ、人によってはロキソニンによってお腹が緩くなるなどの消化器障害が現れるため、体質に合わないという場合もあります。
鎮痛効果は中等度で比較的強い薬剤ですが、ボルタレンよりも鎮痛効果は弱めです。
妊婦の方や乳幼児、小児に使われることはまずありません。
実は、薬局で市販されている「ロキソニンS」と「ロキソニン錠60㎎」は成分・成分量・錠剤の大きさも全く同じです。
カロナールの特徴
「カロナール」という言葉は、一般的に日本で使用される医薬品の商標名です。
カロナールも消炎鎮痛剤の一種ですが非ピリン系解熱鎮痛剤:アセトアミノフェンに分類されます。
ロキソニンが炎症や痛みを引き起こす物質を抑えるのに対し、アセトアミノフェンは、中枢神経や体温調節中枢に作用して炎症や痛みを抑制します。
ロキソニンよりも副作用が現れにくい薬剤ですが、発疹や食欲不振といった症状が認められることもあります。
カロナールの錠剤には200mg錠、300mg錠、500mg錠の3種類があます。
この錠剤は1錠1gとなっていて、この1錠にアセトアミノフェンが200㎎、300mg、500mgとそれぞれ含有しています。
含有量が多い方が鎮痛効果は強まります。
医師や歯科医師、薬剤師の指示に従って正しい用法・用量で使用してください。過剰な摂取は健康リスクを引き起こす可能性があります。
ロキソニンと比べると作用は緩やかであり、副作用のリスクも低いことから、妊婦の方や幼児、小児にも使うことができます。鎮痛効果は弱めです。
話はかわりますが、インフルエンザや新型コロナウイルスの鎮痛剤には、この中枢神経に作用するカロナールが良いとされています。
カロナールの代替薬として市販の「バファリン」や「セデス」が挙げられます。
ボルタレンの特徴
ボルタレンもロキソニンと同じNSAIDs(エヌセイズ)の一種で、ステロイドは使われていないものの比較的強い効果が期待できる痛み止めです。
数あるNSAIDs(エヌセイズ)のなかでもボルタレンが最も強い消炎鎮痛効果を発揮する(最強の鎮痛剤)と言われており、それなりに強い副作用を伴います。
具体的にはロキソニンと同じ消化器障害なのですが、副作用の出現率は明らかにボルタレンの方が多くなっているのです。
そうした背景もあり現状、ボルタレンの薬は市販されていません。
医師による処方のみです。錠剤の他に座薬もあります。
体に貼り付けるテープ剤、ローション剤、スプレー剤などが市販されています。
鎮痛効果は強いです。
鎮痛効果はカロナール、ロキソニン、ボルタレンの順に強くなります。
ロキソニン(ロキソプロフェン)、カロナール、ボルタレンの基本的な違いは鎮痛効果にあります。
しかし、それぞれの薬を飲む量でも鎮痛効果は変わります。
ロキソニン2錠とボルタレン1錠ならば、個人差もありますが、ロキソニン2錠の方が鎮痛効果が強いです。
ボルタレンがよりも鎮痛効果の強い薬剤はありますが、副作用の面で、これ以上に強い鎮痛剤はおすすめできません。
一般的に、一般開業医や歯科で処方する鎮痛剤は、ボルタレン2錠が最強でしょう。
鎮痛剤が効かない。
または、ボルタレンが効かない痛みであれば、すぐに歯科医に診てもらいましょう。
※これらの強い効果の歯痛薬は、医師の処方箋が必要で使用方法や服用量には注意しましょう。
自己判断での使用は避け、必ず歯科医師や医師、薬剤師の指示に従って使用するようにしましょう。