院長の大槻です。
乳歯は全部で20本あり、通常は上記の順番で生えそろいます。とくに成長が早いのは下の前歯で、目安としては生後6ヶ月前後で生えてくることが一般的です。それぞれのタイミングについてくわしく解説しましょう。
1歳ごろ:前歯が8本生えてくる
1歳をすぎたころには、上下あわせて8本の前歯が生えてきます。生え始めの時期には若干の個人差があり、1歳よりも早く生えたり、遅く生えたりする場合がありますが、前後2ヶ月程度であればとくに問題はありません。
1歳半ごろ:奥歯が4本生えてくる
1歳半ごろになると、第一乳臼歯という奥歯が4本生えてきます。咀嚼に必要な歯が生えそろうため、この時期には離乳食を終えて、徐々に本格的な食事が可能になるでしょう。
2歳ごろ:犬歯4本が生えてくる
2歳前後になると、鋭利にとがった犬歯が4本生えそろいます。食事をするために必要な歯はある程度そろいますが、いわゆるイヤイヤ期と重なり、食事を嫌がることも多い時期です。
2歳半ごろ:奥歯が4本生え乳歯がそろう
2歳半ごろには、奥歯がさらに4本生え、合計20本の乳歯がそろいます。食べ物を噛む力はこの時期から3歳ごろまでに養われるため、噛むトレーニングを繰り返しましょう。
乳歯が抜けて永久歯が生える順番
乳歯が抜けて永久歯が生える順番は、ごく一般的には以下のとおりです。
【永久歯に生え変わる時期の目安】
永久歯の名前 |
上顎 |
下顎 |
第一大臼歯(六歳臼歯) |
6~7歳 |
6~7歳 |
中切歯 |
7~8歳 |
7~8歳 |
側切歯 |
8~9歳 |
7~8歳 |
第一小臼歯 |
10~11歳 |
10~12歳 |
第二小臼歯 |
10~12歳 |
11~12歳 |
犬歯 |
11~12歳 |
9~10歳 |
第二大臼歯 |
12~13歳 |
11~13歳 |
第三大臼歯(親知らず) |
17~21歳 ※個人差により生えない場合もある |
もっとも早く生えてくるのは第一大臼歯で、噛み合わせの中心となる大事な歯です。乳歯の奥に生えて歯みがきがしにくいため、虫歯にならないように集中してケアしましょう。
①1歳をすぎても乳歯が全く生えてこない
乳歯の生え始めは生後6ヶ月をすぎたころからですが、なかには1歳をすぎても乳歯が全く生えてこない赤ちゃんもいます。結論として、多少の遅れであればそのままにしていても問題ありません。とくに早産などで赤ちゃんの体が未発達な場合、歯の成長が遅れるケースは多いです。
ただし、乳歯が生えない理由が歯肉の増大や先天性疾患の場合もあります。この場合は医師による治療を受けなければ正常に歯が生えそろわない可能性があり、注意が必要です。目安として1歳半~2歳ごろになっても全く歯が生えてこない場合は、歯科医院で診察を受けましょう。
②前歯ではなく横の歯から生えてきた
通常は前歯~奥歯の順に乳歯が生えるものの、赤ちゃんによっては前歯より先に横の歯が生えるケースが見受けられます。結論としては、こういったケースの場合は歯の発育に影響が出ることはほとんどなく、そのままにしていて構いません。歯の成長には個人差があり、横の歯が先に生えるケースは珍しくありません。
③前歯ではなく奥歯から生えてきた
横の歯や前歯ではなく、奥歯から乳歯が生えるケースもまれに見受けられます。この場合は何らかのトラブルが発生している可能性があり、医師への相談が必要です。
横の歯が先に生えるのは問題ないのに、なぜ奥歯が先に生えると問題なのか気になる方は多いかもしれません。横の歯と奥歯の違いは、歯が生えるタイミングの差にあります。通常であれば、奥歯は1番最後に生えてくる歯ですから、前歯や横の歯よりも早く奥歯が生えた場合は異常とみなすべきといえます。