デンタルフロスには大きく分けて3つの種類がある
歯と歯の間や、歯と歯肉の間は歯ブラシや歯間ブラシを使ってもきちんと歯垢を除去できないことがあるため、隙間が狭く歯ブラシや歯間ブラシが入らない箇所の掃除にはデンタルフロスがおすすめです。
デンタルフロスには大きく分けると柄が付いている「ホルダータイプ」と柄が付いていない「ロール(指巻き)タイプ」の2つがあります。
デンタルフロスの使い方を解説する前に、まずはそれぞれのデンタルフロスの種類について確認していきましょう。
デンタルフロスの種類①ロール(指巻き)タイプ
ロール(指巻き)タイプのデンタルフロスは指に糸を巻きつけて使用するタイプで、メリット・デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
メリット |
デメリット |
・歯全体の歯垢を除去するのに適している
・使い捨てで衛生的
・歯茎の奥まで糸を挿し込めるためしっかりと歯間の歯垢を除去できる
・1度の購入で約100回分使用できコスパが高い(1商品あたり40〜50m) |
・上級者向きのため慣れるまで扱いが難しい |
ロールタイプのデンタルフロスは指に糸を巻きつけて使用するため、初心者には少し扱いが難しいタイプとなっています。
初めてデンタルフロスを使用する方は、まず糸で歯間を磨くことに慣れるためにも次に紹介するホルダータイプから始めて、ある程度デンタルフロスに慣れてきたらロールタイプに移行するのもおすすめです。
デンタルフロスの種類②ホルダータイプ(Y字型)
もう1つのデンタルフロスの種類としては柄が付いている「ホルダータイプ」があり、さらにホルダータイプは大きく分けてY字型とF字型と呼ばれるものがあります。
ホルダータイプ(Y字型)のメリット・デメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?
メリット |
デメリット |
・奥歯の歯垢を除去するのに適している
・持ち手が付いているため扱いやすい
・初心者向き
・商品によって持ち手の先端にピックが付いているものもある |
・ロールタイプと比べて衛生面で劣る
・安価な商品はあるもののロールタイプよりコスパがやや低い |
ホルダータイプ(Y字型)は文字通りフロス部分がY字の形状をしており、その形状から奥歯の歯垢を除去するのに向いているデンタルフロスです。
持ち手が付いているため初心者でも扱いやすく、商品によって持ち手の先端にピックが付いているものもあるため、フロスで除去しきれなかった汚れや食べかすをかき出すことができます。
しかしロールタイプと比べると衛生面で劣る点や、安価な商品はあるもののロールタイプよりコストがかかる点はデメリットといえるでしょう。
デンタルフロスの種類②ホルダータイプ(F字型)
ホルダータイプ(F字型)の基本的な特徴やメリット・デメリットに関してはY字型とほとんど変わりませんが、異なる点としてはF字型は前歯の歯垢の除去に適しているという点です。
そのため歯垢を除去したい箇所に応じてY字型とF字型のデンタルフロスをを使い分ければ、効率良く歯間の歯垢や汚れなどを除去することができます。
種類別!効果的なデンタルフロスの使い方
ここまで「ロール(指巻き)タイプ」「ホルダータイプ(Y字型)」「ホルダータイプ(F字型)」の、3つのデンタルフロスの種類について紹介しました。
ここからは、デンタルフロスの使い方について上記の種類別に解説していきます。
またデンタルフロスの使い方については、厚生労働省運営の健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも紹介されているため気になる方は併せてご覧ください。
デンタルフロスの使い方|ロールタイプ
まずデンタルフロスの基本的な糸の巻き方については、以下の手順を参考にしてください。
【基本的な糸の巻き方】
①指先から肘までの長さを参考に糸を切る(約40cm)
②フロスの片側を片方の手の中指に2〜3回巻きつける
③両手の間隔が10〜15cmになるようにもう片方の手の中指に巻きつける
④両手の親指と人差し指を使って糸がピンと張るようにつまむ
上記はあくまでも基本的な糸の巻き方になるため、歯垢を除去したい箇所によって持ち方などを工夫すると掃除しやすくなります。
【ロールタイプの使い方】
①片方の手の指を歯の外側に、もう片方の指を歯の内側に入れる
②前後にゆっくり動かしながら歯茎あたりまで挿し込む
③フロスを歯にひっかけるイメージで上下左右に動かし歯の側面を清掃する
④清掃が終わったら挿入と同じ要領でフロスを抜く
⑤うまく抜けない場合は片方の指からフロスをはずしてゆっくり糸を引き抜く
ロールタイプの使い方は以上のようになっており、①〜⑤まで終わったら同じ手順を繰り返してそれぞれの歯の間を掃除していきましょう。
デンタルフロスの使い方|ホルダータイプ(Y字型)
続いてホルダータイプ(Y字型)の使い方としては、以下のような手順で行ないます。
【ホルダータイプ(Y字型)の使い方】
①左右に動かしながらゆっくりと歯間に挿し込む
②歯茎付近まで挿入したら隣り合った歯それぞれの側面に沿わすように上下に動かす
③左右に動かしながらデンタルフロスを抜く
④歯の裏側などの除去しきれなかった汚れ・食べかすはピックでかき出す
⑤隣の歯で同じ手順を繰り返す
歯並びがそろっていない場合は歯ブラシの毛先が歯間の奥まで届きにくいため、その分念入りにデンタルフロスを使って歯ブラシで取り切れない汚れを除去しましょう。
また先ほどお伝えしたようにY字型は奥歯、F字型は前歯の掃除に適しているため、掃除したい箇所に応じて両方を使い分けると良いです。
デンタルフロスの使い方|ホルダータイプ(F字型)
次に、ホルダータイプ(F字型)の使い方について解説していきます。
【ホルダータイプ(F字型)の使い方】
①前後に動かしながらゆっくりと歯間に挿し込む
②歯茎付近まで挿入したら歯の側面に沿わすように上下左右に動かす
③前後に動かしながらデンタルフロスを抜く
④歯の裏側などの除去しきれなかった汚れ・食べかすはピックでかき出す
⑤隣の歯で同じ手順を繰り返す
基本的にはY字型と同じ使い方ですがフロスの向きが異なるため、挿し込む際に動かす方向も左右・前後で異なります。
すべてのデンタルフロスに言えることですが歯と歯が密接している箇所に糸を通すときはきつく感じることがあり、つい力を込めて挿入してしまう場合がありますが勢いよく挿入すると歯茎を傷つける心配があるためゆっくり挿し込むようにしましょう。